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今回の記事では、2023年10月27日に発売された、パナソニックのマイクロフォーサーズのミラーレス一眼「LUMIX DC-G9M2」 (以下「G9PROII」 )のレビューをしたいと思います。
その特徴やメリット・デメリットをご紹介します。また、巷での評判や口コミもも掲載します。
※記事の最終更新日: 2023年11月30日
LUMIX G9PROIIはどんなカメラ?
G9PROIIは、パナソニック(LUMIX)のマイクロフォーサーズカメラの中で最上位機種だったG9PROの後継機 です。
G9PROが発売されたのは2018年1月ですから、それから約5年半の歳月を経て発売されました。発売を待ちわびていたファンも多かったようです。
大きな特徴としては、フルサイズミラーレス「LUMIX S5II」と同じボディを採用していることがあります。
フルサイズのS5IIとマイクロフォーサーズのG9PROIIの両刀使いをするユーザーが一定数いることを意識してそのようなボディにしたのだと思います。
また、有効2521万画素の新センサーと新世代の画像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」を搭載しています。
前モデルは有効画素数が2033万でしたので、解像度が約25%アップしています。
LUMIX G9PROIIの基本スペック
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【LUMIX G9PROIIの基本スペック】
センサー:マイクロフォーサーズ, LiveMOS
有効画素数:2,521万画素
感度:ISO100~25,600 (拡張: ISO50)
連写:約60~75コマ/秒
液晶モニター:3型, 184万ドット, バリアングル式
ファインダー形式:LVF, 1.6倍
ローパスフィルターレス:〇
手ブレ補正:5軸8段
ゴミ取り機構:〇
内臓フラッシュ:なし
フォーカスポイント:779点(像面位相差AF)/315点(コントラストAF)
端子:USB3.2 Type C, HDMI
大きさ:134.3x102.3x90.1mm
重さ:575g
実勢価格:新品230,000円程度
LUMIX G9PROとG9PROIIの違い
G9PROからG9PROIIになって進化した点は、主に下記の点です。
有効画素数 :2033万→2521万
ボディ内手ブレ補正 :6.5段→8.0段
光学IS連携手ブレ補正 :6.5段(~望遠域)→7.5段(~望遠域)
画像処理エンジンが最新世代に進化
常用ISO感度 :200~25600→100~25600
拡張ISO感度 :100→50
ダイナミックレンジブーストを導入 (詳細は後述)
AF方式 :コントラスト検出→コントラストと像面位相差とのハイブリッド
測距点 :225→779
被写体検出機能 :人体認識/動物認識→人体/動物/車両/バイク
高速連続撮影 AF/AE固定 :約60コマ/秒(電子)→約75コマ/秒(電子)
高速連続撮影 AF/AE追従 :約20コマ/秒(電子)→約60コマ/秒(電子)
モニター解像度 : 約104万ドット→約184万ドット
動画の画質 :4K対応→8K対応
ハイスピードカメラ :FHD 180fps→4K 120fps、FHD 300fps
動画連続撮影制限 :30分録画制限→無制限
動画ログ撮影 :V-Log L→V-Log、V-Gamut
リアルタイムLUTを新たに搭載 (詳細は後述)
デジタル端子 :USB3.0 Micro-B→USB3.2 Gen2 Type-C
LUMIX G9PROIIのメリット(良い点)
ダイナミックレンジブースト
G9PROIIは、新しく開発された有効2521万画素Live MOSセンサーを搭載しており、このセンサーにおける特筆すべき点は「ダイナミックレンジブースト」 です。
「ダイナミックレンジブースト」は、LUMIX GH6で初めて導入された高画質向上機能です。この機能は、低感度と高感度に対して独自の処理を行い、各画素ごとに合成することで、低ノイズかつ豊かな階調を実現します。
GH6では、この機能は特定の画質設定でISO800またはISO2000以上の感度で利用可能でしたが、G9PROIIでは、常用感度の最低値であるISO100から自動的に適用されるようになりました(※オン・オフの設定も不要)。
高速連写時やフレームレートが60fpsを超える動画撮影など、一部の条件では効果が限定的ですが、常用感度での画質が飛躍的に向上しました。
特に、シャドウ部分の階調表現が改善され、RAW現像時にもシャドウを調整してもトーンが飛びにくく、より滑らかな階調が得られるようになりました。
このため、マイクロフォーサーズでありながら、フルサイズセンサーに劣らない階調表現を発揮します。
リアルタイムLUT
G9PROIIには、S5IIと同様、「リアルタイムLUT」 の機能が搭載されています。
「リアルタイムLUT」とは、LUMIX独自のフォトスタイルに加え、新たにカメラ本体でLUT(ルックアップテーブル)を適用し、自身の好みに合わせた雰囲気や色調を写真や動画に反映して記録できる機能です。
この機能により、例えば「フィルムルック」「ノスタルジー」「ナチュラル」「ティール&オレンジ」など、自分の好みに合った雰囲気や色調を、撮影時にすぐに反映させて記録できます。そのため、撮影後の色補正が必要なくなり、ワークフローが効率的になります。
また、LUTは有償・無償を問わずインターネット上で入手可能なため、LUTの制作に習熟していない方でも、リアルタイムLUTを活用できる便利な機能となっています。
LEICAモノクローム
G9PROIIは、新しく「LEICAモノクローム」 というモードを、仕上がり設定「フォトスタイル」に搭載しています。
これにより、もともと「LUMIXシリーズ」が高いモノクロ表現力で知られている中で、さらに魅力的なモノクロモードがG9PROIIに追加されました。
パナソニックによれば、他のメーカーのデジタルカメラで「LEICA」の名前が付いた画質設定を搭載するのは初めてのことです。
このモードは、モノクロ表現に特にこだわりを持つライカとの協業によって生まれ、ライカとの緊密な連携のもとでチューニングが行われたと説明されています。
パナソニックによると、このモードは、メリハリを持ちつつディテールを保ちつつ、明るいハイライトを特徴とし、より硬調でダイナミックな雰囲気を演出するとのことです。
強力な手ブレ補正効果
G9PROIIでは、ボディ内に組み込まれた5軸手ぶれ補正機構の性能が向上し、最高で8段の手ぶれ補正 が実現されています。
また、望遠レンズを使用した場合でも優れた安定性を提供する「Dual I.S. 2」というレンズとボディの協力による手ぶれ補正は、7.5段の補正能力を持っています。
これらの仕様により、G9PROIIは、広角から望遠までのシーンで手ぶれを効果的に抑えて撮影できる、LUMIX史上最高の手ぶれ補正性能を提供しています。
さらに、動画撮影時における電子手ぶれ補正も進化し、特に高速撮影時などに発生する大きな手ぶれを効果的に抑制し、周辺歪みの補正も向上しているとのことです。
一億画素の手持ちハイレゾモード
G9PROIIのハイレゾモード は、1回のシャッター操作で複数の写真を撮影し、それらをカメラ内で合成することで、最大一億画素相当 の超高解像度写真を生成する機能です。
この機能を活用することで、ファインダー越しに見た風景の細部まで、まるで手で触れるかのように鮮明にキャプチャすることが可能となります。
像面位相差AF
G9PROIIは、S5IIに続き、像面位相差AF (779点)を搭載しています。これは、マイクロフォーサーズ機である「LUMIX Gシリーズ」において初めての像面位相差AFを備えたモデルです。このため、逆光や低照度などの厳しい条件下でも被写体の追従性が向上しています。
さらに、「リアルタイム被写体認識AF」の機能も向上しており、「人物」と「動物」の認識に加えて、「動物の瞳」や「車」「バイク」の認識にも新たに対応しました。
また、「人物」については上半身のみの認識も可能になり、認識の精度が向上しています。
超高速連写
「LUMIX G9PROII」は、電子シャッターを使用した際に、AFCモードで最大約60コマ/秒、AFSモードで最大約75コマ/秒という超高速の連写 を実現しています。
特にAFCモードにおける連写性能は驚異的で、2023年9月12日時点ではマイクロフォーサーズカメラのAF追従連写として最速となっています。
バッファメモリーが強化されており、超高速連写中でも3秒以上にわたって連写を維持できるとされています。
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LUMIX G9PROIIのデメリット(不満な点)
フルサイズとボディサイズが一緒
既述のとおり、G9PROIIは、フルサイズカメラのS5IIと同じボディを採用しています。当然、ボディの大きさは一緒です。
マイクロフォーサーズの大きな利点の一つは、ボディを無理なくコンパクトな設計にできることですが、G9PROIIでは敢えてそのメリットは実現させていません。マイクロフォーサーズのカメラとしては大きめのボディ となっています。
もちろん、ボディが大きいことには、持ちやすいというメリットもあります。ただ、マイクロフォーサーズの魅力がコンパクトさにあると考えるユーザーにとってはデメリットとして映ってしまうでしょう。
無論、レンズに関しては、マイクロフォーサーズならではのコンパクトさやリーズナブルさの恩恵にあずかることができます。
価格がやや高い
現在のところ、G9PROIIは約23万円 という価格になっています。この価格帯には多くの競合カメラが存在しています。
23万円出せば、フルサイズカメラも購入できます。
また、APS-Cカメラの高性能モデルも数多く存在します。
ここ最近はAPS-Cカメラの人気や需要も高まり、以前はマイクロフォーサーズ優位だった動画機能や手振れ補正、レンズラインアップの差が埋まりつつあります。
G9PROIIは、LUMIXファンやマイクロフォーサーズ好きであれば間違いなく「買い」でしょうが、その他のユーザーに選ばれるかどうか、そこは発売されてみないとわかりません。
LUMIX G9PROIIの評判や口コミ
G9PROIIは、旧モデルからいろいろな面でうれしい進化があったので、喜びの声や良い口コミが多数上がっています。
ツイッター上の評判,口コミ
YouTube上の口コミ
LUMIX G9PROII ファーストインプレッション!
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