JR東日本グループは、2024年4月26日に「JR東日本グループカスタマーハラスメントに対する方針」を発表しました。この方針は、お客からの要求や行為が過度である場合、社員が適切に対応しないことを明確に示しています。
※記事の最終更新日: 2024年4月28日
カスタマーハラスメントとは?
カスタマーハラスメントは、顧客や取引先という立場から悪質なクレームや要求をする行為のハラスメントのことです。
略称で「カスハラ」と呼ばれることもあります。
カスタマーハラスメントは、さまざまな類型がありますが、どれも「顧客や消費者の立場を利用して過度・不当な要求を行う」点で共通しています。
例えば、優位的地位の乱用や不当な要求、職務妨害行為、担当者の尊厳を傷つける行為などが含まれます。
企業は適切な対処方法を確認し、社員を守る姿勢を示すことが重要です。
JR東日本のカスハラに対する方針の中身は?
JR東日本は、たとえば、以下のようなカスタマーハラスメントに対して対処方針を策定しました。
■身体的・精神的な攻撃(暴行、傷害、脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言)や威圧的な言動
■土下座の要求
■社員の個人情報のSNS投稿など
こうしたカスハラについては「お客様対応」はせず、悪質な場合には、警察や弁護士などの専門家に相談するとのことです。
JR東日本グループは、お客の意見や要望に真摯に対応する一方、社員一人ひとりを守ることを大切に考え、こうした方針を策定しました。
カスタマーハラスメントには毅然とした姿勢で対応し、継続的に安全で質の高いサービスを提供していくという意志を示しました。
なお、JR各社でカスハラへの対応方針を発表したのは初めてのことであり、鉄道事業者では東京メトロが3月に対応ポリシーを制定していることがわかっています。
【参考記事】
JR東日本のカスハラに対する方針への反響は?
こうしたJR東日本グループの発表に対し、ネット上では好意的なコメントが多数上がっています。
例えば、以下のようなコメントがあります。
・モンスター対応にひきずられて、トップ・経営者・幹部ではなく現場スタッフがひたすら疲弊し、心身ともに大きなダメージを負うという現状は改善されるべき
・「お客様は神様」という言葉を履き違えたモンスターを駆逐できる
・サービスを提供する側も受ける側も対等なのだという認識が必要
・「会社が従業員を守らなくてどうする」と日ごろから思っていた。
一方、懸念を表すようなコメントも上がっています。
・会社側がカスハラと判断したら、面倒な事は何でもカスハラとして、対応しなくていいということになるかもしれない。
・お客に対して威圧的な態度を取る駅員がいた昔の時代にまた戻るのでは。
カスハラに対して毅然とした対応を取る企業は今後も増えていくと思われます。
ただ、それが極端になっていくと、まともなクレームもきちんと対応してくれなくなるおそれもあります。
何事もバランスが重要ですが、「どちらかに偏り、歪んでいく」、それが世の中の常かもしれませんね。
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