高級コンデジやミラーレス一眼カメラ、デジタル一眼レフなどでは、ISO感度をマニュアルで自由に設定できます。最近は、スマホのカメラの中にもマニュアル設定できる物もあります。
今回、このISO感度とは一体何なのか、ISO感度を上げる(下げる)ことによってどんな効果を得ることができるか、という点を取り上げたいと思います。
※記事の最終更新日: 2023年9月28日
ISO感度とは?
デジタルカメラにおけるISO感度とは、レンズから入ってきた光をカメラ内でどのくらい増幅させるかを表す値です。
例えば、ISO200はISO100よりも光の感度が2倍高く、ISO100と比べて光の量が半分の場所でも同じ明るさで写真を撮影できます。また、ISO100と比べてシャッタースピードを2倍の速さにしても同じ明るさの写真に仕上がります。
ちなみに、ISO感度は「イソかんど」と読むのが一般的。ただ、「アイ・エス・オーかんど」と呼んでも間違いではありません。
ISOは「国際標準化機構」(International Organization for Standardization)の略称。つまり、「国際的に決められた規格」という意味で、カメラ専用の用語というわけではありません。
ISO感度は本来はフィルムの感度を表す規格で、メーカーによってその基準がバラバラだとユーザーが混乱するため、国際的に同じ規格を採用するようになりました。
こうした背景から「ISO感度」という用語が生まれ、デジタルカメラの設定についても便宜上この言葉が引き続き使われています。
ISO感度を上げると(下げると)とどうなる?
ISO感度を上げるメリットは、暗い中でもシャッタースピードをさほど落とさずに明るい写真を撮ることができること。
手持ち撮影の場合、シャッタースピードを落とすと手ブレしてしまう可能性が高くなります。このため、シャッタースピードを遅くしなくてもいいというのは大きなメリットになります。
しかしながら、ISO感度を上げると光を電気的に増幅させることになるため、画像のノイズ(ざらつき)が増えたり、シャープさが下がったりしてしまいます。つまり、ISO感度を上げると画質が悪くなるのです。
ただ、最近のデジタルカメラはノイズの処理がうまくなっているため、多少ISO感度を上げてもさほどノイズは目立ちません。フルサイズセンサーのカメラであればISO3200~6400くらいにしても問題なかったりするし、APS-CやマイクロフォーサーズのカメラでもISO1600くらいまではオッケーだったりします。
それでも、ISO感度は低くするに越したことはなく、手ブレの心配がない環境ではISO100~200などの低い設定で撮影するのがベストでしょう。
おすすめのISO感度の設定方法
屋外の日の下で光量の多い場所では、ISO100の設定にして手持ちで撮影しても手ブレは起こらないことが多いです。具体的には、シャッタースピードが1/125より速いなら大丈夫でしょう。
また、三脚を使って撮影するのであれば、暗い場所でもISO100の設定で撮影可能です。
一方、歩きながら手持ちでスナップ写真を撮影する時などは、ISO感度を100のままにしていると、その時の環境によって手ブレが起きてしまうかもしれません。
でも、撮影する度にシャッタースピードを確認してISO感度の設定を変えているのでは一瞬のシャッターチャンスを逃してしまいます。このため、歩きながらいろいろな場所で撮影する時にはISO感度の設定をオートにしておくことをおすすめします。
僕も以前は、画質を気にするあまり常にISOを200以下にして撮影していたが、当時の写真を見返すと手ブレしていることが多く、失敗していたなと思います。画質が良くても手ブレしていては元も子もないのです。
関連動画
関連記事