東武東上線の「ふじみ野駅」の出口正面には「富士見市」の地図が設置されている。それもそのはず、ふじみの駅は、ふじみ野市ではなく、ふじみ野市に隣接している富士見市に位置しているのだ。
※使用機材:HUAWEI NOVA 5T
ではなぜ、ふじみ野駅が富士見市にあるのか?
なぜ、紛らわしい名前の2つの市が隣接しているのか?
1990年代前半、富士見市、上福岡市、入間郡大井町、入間郡三芳町の2市2町が、合併を目指して協議を進め、合併した場合の新しい市名を「ふじみ野市」にすることに決定した。
その後、その市名に合わせて、1993年の11月に東武東上線の新しい駅として富士見市に設置されたのが「ふじみ野駅」。つまり、ふじみ野市に先立ってふじみ野駅が誕生したということだ。
ところが、その合併話は2004年の住民投票で否決されてしまい、ふじみ野市構想は一度頓挫してしまった。
その後、上福岡市と大井町の1市1町だけで合併を協議し、2005年にふじみ野市が誕生した。
しかし、富士見市はそれに参加しなかったため、ふじみ野市と富士見市という似た名前の市が隣接することになったのだ。
上福岡市と大井町で協議する時には、名前を必ずしもふじみ野市にこだわる必要はなかったように思うが、なぜかふじみ野市になった。
すでにふじみ野駅が存在していたため、ある程度知名度があるという点で、この市名にするのが得策と思ったのかもしれない。
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