写真の印象は色味によって大きく変わります。今回は、その色味を左右するホワイトバランスの設定のコツについて解説したいと思います。
※記事の最終更新日: 2024年9月3日
ホワイトバランスとは?
(画像引用元:pixabay)
そもそも「ホワイトバランス」とは、色温度の補正によって白が白に見えるように調整する機能のことです。
日中の太陽光や夕日、屋内の照明など、光源が変わると、カメラが白を白と表現せず、赤みがかかったり青みがかかったりしてしまうことがあります。
これを調整して白を白と表現できるように調整する役目を担うのが「ホワイトバランス」ということです。
ホワイトバランスで使用するケルビンのややこしさ
(画像引用元:pixabay)
色温度にはK(ケルビン)という値を使用します。
ケルビンの値が低いと赤色、値が高くなるにつれて白色、青色となっていきます。
「赤」は一般に温度が高いイメージがあるのにケルビンの値は低い、「青」は逆に冷たいイメージがあるのにケルビンの値は高い、というややこしいことになっています。
そして、さらにややこしいのが、カメラのホワイトバランスの設定では、ケルビン値を下げると青くなり、上げると赤くなるようになっています。
あれ?先ほど色温度について「ケルビンの値が低いと赤色、値が高くなるにつれて白色、青色となっていく」と説明したことと矛盾しているのではないかと思うかもしれませんね。
しかし、これは矛盾ではありません。
実は、カメラのホワイトバランスのケルビンは「その色温度の光の時に、自然な色になる数値」を表しているのです。つまり、「白を白と表現できるように、実際の光源の色とは反対の色味を加えて相殺する」という考え方です。何というややこしさ...。
まぁ、ややこしいことは抜きにして、「写真を赤っぽくしたければホワイトバランスの設定を高い値にし、青っぽくしたければ低い値にする」とだけ覚えておけば困ることはありません。
ホワイトバランス設定のコツ
(画像引用元:pixabay)
晴天の日中の太陽の場合は、約5500Kに設定することで白を正しく表現できます。
色温度の値が低い(赤い)ロウソクの場合、約2,000Kにするのが良いとされています。
白熱電球は約3,000K、朝日や夕日は2,000~3,000K、蛍光灯は約4,000Kが基本的な設定となります。色温度の値が高い(青い)曇り空では約6,000K、日陰では約7,500Kにするのが一般的です。
試しに、ホワイトバランスの値を変えながら写真を撮ってみましょう。ホワイトを下げると青味の強い写真になり、上げると赤味の強い写真になっていきます。
※使用機材:LUMIX GX7Ⅲ + LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.
白は白と表現した方が自然な写真となりますが、被写体の赤さや青さを強調するためにわざとホワイトバランスの数値を高めにしたり低めにしたりすることもできます。
例えば、数値を高めにして夕日を撮影すれば、太陽や夕焼け空をより赤く表現することが可能です。
結局は、好みや「何を表現したいか」といったことが関係してくるので、ホワイトバランスの設定に正解はありません。
カメラには、自動でホワイトバランスを設定してくれるオート機能があります。また、「太陽光」、「白熱電球」、「蛍光灯」、「曇り」などの項目を選ぶだけでそれに合ったホワイトバランスの値に設定される「プリセット機能」も付いている機種がほとんどです。
慣れないうちはオート機能やプリセット機能を使うのが無難でしょう。
撮影が上達してきたらホワイトバランスの数値を手動で設定する技術も身につけると、状況に応じて微調整できるようになり、撮影の幅が広がります。
ただ、一番便利なのは、RAW形式で撮影して、「後でホワイトバランスを決める」ことかもしれません。RAW撮影については、また別の記事で解説したいと思います。
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