※via:下町、ひと昔 : 田沼武能写真集
田沼武能(1929-2022)は、世界各地の子供たち、東京の下町風景、武蔵野の自然などの写真で有名な写真家。残念なことに、2022年6月1日に93歳で亡くなられた。
浅草の写真館の息子として生まれ、建築家を目指したが受験に失敗したため、報道写真家を志した。受験に成功していたらここまで有名な人にはならなかったかもしれない...。まさに「人間万事塞翁が馬」である。
東京写真工業専門学校(現在の東京工芸大)に入学・卒業後、1949年に「サンニュースフォトス」に入社。そこで、ライカの名手として有名な木村伊兵衛の指導を受けた。
1951年に「新潮社」の嘱託となり、作家や芸術家のポートレート撮影を生業とした。
1965年には「米ライフ誌」と契約したことをきっかけに、世界各地を訪ねて子供たちを撮影するようになり、これが100カ国を超える活動に繋がった。
子供の写真については「撮影する人の人柄が子供たちの表情に映る」と言われることがあるが、田沼氏の撮った子供たちは無邪気な表情をしている。
しかし、今の殺伐とした世の中、見知らぬ人が子供にカメラを向けると通報されるかもしれない。この意味で、田沼氏のような写真を真似て撮るのは難しくなっていると言える、というか、真似しない方がよいであろう...。
なお、田沼氏は、1995年から「日本写真家協会」の会長として写真界の発展にも尽力した。
【関連動画】
【おすすめ記事】