画像ファイルの形式と言えば、最初にJPEGが思い付くかもしれません。
しかし、多くのプロの写真家やハイアマチュアの写真家は、JPEG形式で撮影せずに「RAW」データで撮影しています。「ローアマチュア」の僕も、時々RAW撮影を楽しみます。
今回の記事では、RAWデータとは何か、写真をRAW形式で撮影することにはどんなメリットがあるのかを解説したいと思います。
※記事の最終更新日: 2023年8月4日
RAWデータとは?
RAWデータとは、カメラ内の電子回路で処理される前、つまり視覚化される前の状態の画像データのことです。簡単に言えば、JPEGなどの画像ファイルとして処理する前の「生のデータ」ということですね。
RAWデータは、JPEGよりも重い(ファイルサイズが大きい)です。というより、JPEGはRAWデータを圧縮して軽くしたものなので、「JPEGファイルがRAWファイルよりも軽い」と言った方が的確かもしれませんね。
そして、RAW画像は、Windowsのフォトアプリなどの一般の画像再生ソフトでは表示できません。RAW画像の表示や編集に対応したソフトでなければならないし、JPEGを表示するときよりも動作は重くなります。
RAWデータで撮影するメリットは?
(※使用機材:LUMIX G99 + LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6)
RAWデータはハードディスク容量を食うし、普通の画像再生ソフトでは表示できないなどのデメリットがありますが、それでもプロやハイアマチュアはRAW形式で撮影します。それは、彼らにとってデメリットよりもメリットの方が大きいからです。
では、RAW撮影にはどんなメリットがあるのでしょうか?
まず、RAWデータには光・色・階調についての大量の情報が保持されているため、「後から編集・調整・加工できる幅が大きい」というメリットがあります。具体的には、ホワイトバランスや明るさ、コントラストを比較的自由に変更可能です。
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もちろん、JPEGなどの画像ファイルも編集ソフトでいろいろ調整を加えることはできます。でも、各画素にすでに色が復元されてしまっている状態のため、大きく変更すると不自然な色合いになったり色が潰れたりして、破綻を起こしてしまいます。
それに対して、RAWは「生」のデータなので、劣化を起こさずにいろいろと編集ができます。カメラの設定で多少ミスっても、後から編集して加工することによってミスを帳消しにできますし、平凡な風景もダイナミックに仕上げたりすることが可能です(もちろん、限界はありますが)。
RAWデータを編集した後は?
プロなどはRAWデータの編集を行った後に、JPEGファイルとして書き出し(現像)し、印刷したりメディアにアップしたりします。もちろん、撮影したRAWデータすべてについてそうするのではなく、気に入った写真を選んでそれだけを現像するのが一般的と思います。
ほとんどすべてのデジタル一眼カメラや高級コンデジにRAW撮影機能が付いているので、僕のようなローアマチュアでもRAWでの撮影を楽しめます。ただ、それにハマるとかなりの時間を取られるので、要注意です。ま、趣味とはそういうものなのかもしれませんが。
なお、パソコンのハードディスク容量が限られているのであれば、JPEGに現像したものだけをパソコンに保存し、元のRAWファイルは外付けのハードディスクなどにまとめて保存すればよいでしょう。
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